『真実の種、うその種』

真実の種、うその種 (ドーム郡シリーズ)
芝田勝茂『真実の種、うその種』
ドーム郡ものがたり久々の新作、第3弾。ドーム郡ものがたりは中学の時に和田慎二の絵に惹かれて読んだ。
それからはや25年、前2作はほとんど忘れてました。
今回の3作目、うーん、どうなんだろう?
テオ、トーマ、リンの3人のキャラクターはすごく良かったんだけれど、ストーリーに波乱が、あるようで無かった気がした。
以下、一応伏せ字で

いい人そうに見えたけれど、実は悪い人、というのが全然無く、善意の人ばかりだった。もちろん、ナグラがそういう人として設定されているのだと思うけれど、主人公たちに実害を与えたわけではなく、あくまでも今後の可能性としての悪だったし。ルピアの人々には概があったけれど、死者が出たわけでもなく、書き方も軽いものだったし。
金が無くて困ったわけでもなく、船の上で苦労したわけでもなく、ゴドバールに潜入してから苦しんだわけでもなく。。。「船酔いがひどかった」と1,2行書くだけではない何かがもっと見たかったのに。
ストーリーの流れ自体はおもしろかったから、それをもっと生かす形で書いてほしかった。
なんか結構辛口になってしまいました。