2006-01-01から1年間の記事一覧

NHKドキュメンタリー「21歳になりましたアメリカ編・イギリス編」

正確に言うと、イギリス編は先行して始まっているので「49歳になりました」です。 続けてみたせいか、アメリカ編・イギリス編はちょっと印象がだぶっている上に、日本、ソ連編ほどのインパクトは受けなかった。 ひとつは、彼らがみな「住宅地の子どもたち…

『仏教が好き!」

河合隼雄×中沢新一 に出てくる、貨幣は神に似ている。どちらも永遠と言うことを言っているから。神のキッチュな表現形態が貨幣だ。という言葉。 彼女は7歳の時に、「雲にも、水にも神様がいる」と言い、すごく満ち足りて安定していた。21歳の今も、自分の…

NHKドキュメンタリー「21歳になりました・旧ソ連」

7年ごとの成長記録▽激動の時代を生きる若者たち▽語り・風吹ジュン 21歳になりました・旧ソ連◇旧ソ連で生まれた子供たちの成長を7年置きに記録したドキュメンタリー。21歳になった子供たちの現在を取材し、それぞれの人生を踏み出した彼らの姿を追う。幼い時…

『東寺の謎』

三浦俊良 タイトルは怪しいけれど、東寺の塔頭の住職さんが、東寺の成り立ちやら、空海の人生、ご自分の人生について語った本。 この間旅行で東寺に行ったので借りてみました。 印象に残ったのは不動明王などの明王について。憤怒の形相でとても怖いが、身に…

『チョコレート・コスモス』

恩田陸 恩田陸が描く「ガラスの仮面」へのオマージュ。 という訳で、読み始めた時から誰がマヤで誰が亜弓さんかは一目瞭然。 伝説のプロデューサーが久しぶりに舞台を手がけることになり、それは女優二人の芝居になるらしい。そのオーディションはひそかに始…

『マンスフィールド・パーク』

ジェーン・オースティン オースティンは『説きふせられて』に続く2冊目。 どちらもおとなしい主人公で、映画になった『エマ』とかとは雰囲気が違うのかも知れない。 『説きふせられて』は、派手な姉たちの陰に隠れた主人公に結構共感したのだけれど、こちら…

『危うし!小学校英語』

鳥飼玖美子 小学校での英語必修が既定路線になっているが、本当にそれでいいのか?同時通訳者を経て立教大学教授になった筆者が語る。 一定以上の年齢になると言葉を身につけられなくなるという「臨界点」は本当か? 英語の早期教育を受けてきた人たちは、み…

『明治天皇の一日 皇室システムの伝統と現在』

米窪明美 すごくおもしろかった。 明治天皇の宮中は超身分社会。 用事すら身分を飛び越えては伝えられず、伝言ゲームのように上から下へと降りていく。 女官たちは、立ったままでは天皇の前を通れず、膝行と言って膝歩きするしかない。 庭仕事をするものたち…

「7年ごとの成長記録 21歳〜家族、そして私〜」

8月18日(金)総合・後10・00〜11・15 NHKでは、日本各地の子どもたちを7年おきに取材し、彼らの成長と社会の変化を追う番組を制作してきた。14年前、7歳だった子どもたちは今、21歳。今回の番組では、成人し、それぞれの人生を踏み出そうとする彼らの家族へ…

『大放浪 小野田小異発見の旅』

鈴木紀夫著 ルバング島で小野田少尉を「発見」した青年、鈴木紀夫氏の放浪の旅を描いた本。 ルバング島への旅は最後に少しあるだけで、大部分はそれに先立つ四年間の放浪、1969年から1972年までの旅が占めている。 本当に「大放浪」で、地図を見ただ…

東京国立博物館「若冲と江戸絵画」展

いやあ、ものすごい人だった。まもなくお盆のせいか、まもなく終わってしまうせいか? もっとも一番人気は東京都美術館の「ペルシア美術展」で、上野駅からまっすぐ行列が続いている感じだった。テレビ東京「美の巨人たち」でやっていたのを見たので、余計に…

映画「太陽」

ロシア人監督が昭和天皇を描いた、という話題作。 最初の、天皇の生活を淡々と描いたところはちょっと眠かった。しかし、今回は目を見開いて歯を食いしばって寝ないようにがんばる。 天皇役のイッセイ尾形は、口元の開き具合、動かし方などかなり昭和天皇に…

映画「ゲド戦記」

評判が悪いのも知っていたし、原作のつまみ食いらしいのも知っていた。でも、ファンタジー好きとしては見ないわけにはいかない!と同じファンタジー好きの友人と、つまらなかったら悪口を言い合おう、との覚悟で見に行った。 。。。。映画館で映画を見て寝た…

『川のほとりで』

坂本のこ著 童話教室の大先輩、坂本のこさんの長編児童文学新人賞受賞作品。 実は受賞後、一度原稿を見せていただいている。本にするに当たってアドバイスを、とのことでした。 それで、いろいろと重箱の隅をつつくようなことを言わせていただいた。 そして…

『赤ちゃんはどこまで人間なのか』

ポール・ブルーム著 最初に赤ちゃんに対する実験が多く取り上げられているが、タイトルほどには赤ちゃんは登場しない。それよりも、私たちの感覚、本物と偽物、嫌悪、道徳などについて広く取り上げられている。 最初に登場する実験は、こんなの。 赤ちゃんが…

『小野田寛郎の終わらない戦い』

戸井十月著。 おもしろかった。 小野田寛郎は戦後29年間ルバング島に潜伏「任務」を遂行し続けていた人。 この人の帰還をテレビで見た気もしていたけれど、たぶん、勘違い。でも、わたしが小さかった頃にはまだ「横井さん」や「小野田さん」はしばしばテレ…

『屁タレどもよ!』

中村うさぎ著。 斎藤美奈子の書評を読んでいたら、この本について、「出版社の自主規制で店頭販売できず、ネット販売のみされた」と書いてあったので、野次馬根性で図書館でリクエスト。 本人も書いているように悪口満載の本なんだけど、そんな店頭販売でき…

映画「ホテル・ルワンダ」

つらかった。見ているのが本当につらい映画だった。 お互いに結婚したりして普通に暮らしてきたツチ族とフツ族がある日突然殺し合うことになる。この映画が描いた時点では、フツ族(多数派だが社会的には不利な立場に置かれていた)が、ツチ族(少数派で優遇…

『殴り合う貴族たち 平安朝裏源氏物語』

繁田信一著 3百数十年間も死刑が行われなかった文字通りの「平安時代」。 ところが死刑はなかったがリンチはあったのだ。 自分の従者を殴り殺した貴族もいれば、ほぼ同等の貴族を屋敷ごと袋だたきにしてしまったこともある(屋敷が壊れてしまった)。帝のそ…

『不機嫌なメアリー・ポピンズ イギリス小説と映画から読む「階級」』

新井潤美 イギリスには今も階級(の名残)があり、それは小説・映画などに厳然として現れている。 アッパークラス 地主・貴族など アッパーミドルクラス 知的職業:聖職、研究職、法律職など地主・貴族の長男以外が就く職業。 軍士官 金持ち商人。 ロウアー…

『映画道楽』

鈴木敏夫 「スタジオジブリ」取締役社長である鈴木氏のエッセイ。 元々は徳間書店の編集者だったのね。「週間アサヒ芸能」から「アニメージュ」に移り、徳間社長から「企画のあるやつはもってこい」と言われて、宮崎駿と企画を立てた、というのが宮崎、高畑…

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか 身近な疑問からはじめる会計学』

山田真哉 図書館でリクエストしてから待つこと約8か月、ついに来ました。 さすが、おもしろかったです。 最初の「さおだけ屋」と「住宅地の高級フランス料理店」のエピソードは、テレビ「世界一受けたい授業」でも見たことがあるのですが、その時の説明の方…

『金沢城のヒキガエル 競争なき社会に生きる』

奥野良之助著。 おもしろかった。図書館の新着コーナーで目にとまらなかったらおそらく読むことはなかったでしょう。 副題にあるようにヒキガエルは本当に競争しない。それどころか働かない(活動しない)。 何せ、冬眠の他に、夏眠、冬眠からさめてちょっと…

『統帥権と帝国陸海軍の時代』

秦郁彦著 統帥権:軍隊を指揮、命令する権利。 だからなに?という気がするけれど、問題は「統帥権の独立」なんだろう。 つまり、海軍大臣や陸軍大臣に現役軍人(だけ)がなるようになって、歯止めがなくなってしまったということか? よく聞く「参謀本部」…

『標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録』

ジョージ・ジョナス著 映画「ミュンヘン」の原作。映画でよくわからないところがあったので、図書館で予約して、ようやく来ました。 おもしろかった。 映画は、この本の内容をよく追っていたということがわかったけれど、やっぱり、あれだけでは説明不足。5…

『浦島太郎はどこへ行ったのか』

高橋大輔著。著者は、浦島太郎を追って、中国、沖縄など各地をまわる。そのバイタリティーはすばらしい。 『日本書紀』において、浦島太郎(浦嶋子)が亀に出会って蓬莱へ出かけたとされているのは、雄略22年のこと。これは日本が中国へ使者を送った年でも…

『魔法使いハウルと火の悪魔』

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作。 映画「ハウルの動く城」を見たときには、原作をすっかり忘れていたので最近読み直してみました。 ……映画の評価急落。 だって、映画を見ていて「なに? 意味がわからない」と思ったのがほとんどみんな映画オリジナルの部分…

映画「ナルニア国物語 第一章 ライオンと魔女」

ファンタジー好きで、「ナルニアシリーズ」を何度か読んだことがある私と、小中学校時代「ナルニア」が大好きで、何度も読み返したという友人が、映画「ナルニア国物語」を見てきました。 二人の感想は「……」 別の友人が「眠くなった」と言ったのもわかる気…

「パッチギ!」

おもしろかった。けど、何度も出てくる乱闘、暴力シーンはちょっとつらい。それにしても若者は不死身で回復も早いなあと思ったら、そうでもなかったりして。 つっぱりファッションはなんとなく懐かしい。なんでマスクしてるんだろう?「在日の人は(不満があ…

『飛鳥の朝廷と王統譜』

『飛鳥の朝廷と王統譜』 篠川賢著 6,7世紀における天皇家の皇位継承の原則について探った本。 ごく簡単にいってしまうと、「近親婚によって生まれた男子」というのがそれ。近親婚とは、異母きょうだい婚やオジメイ婚のこと。 そして、女帝は、その原則に…