『妖精が舞い下りる夜』

小川洋子
妖精が舞い下りる夜 (角川文庫)
博士の愛した数式』で話題の小川洋子のエッセイ集。‘90年〜‘92年頃のものなので10年以上前、著者30歳前後の頃。
「選ばれた言葉が輪郭を作り、切り捨てられた言葉が空洞を生み出す」
「(ツインピークス」の登場人物はみんな何かが欠けているか過剰である」
など、自分のヒントになりそうな言葉をメモしつつ読むが、一番印象に残ったのは彼女のタイガース好き。それは『博士〜』からも推察出来たけれど、「正座してテレビを見る」とか「ヒットが出たときの姿勢、やっていたことを変えないようにする」「いやな予感がしたときには翌日の朝刊まで結果を見ないようにする」など、独特の験担ぎに深く深く共感を覚える。
また、実家が金光教の信者だったという。私の祖母(母の母)の実家も金光教だったという。ただ、祖母が特に信心をしている所を見た記憶は無いけれど。そう言えば、ごくたまに誰かが何かの機関誌を持ってきていたけれど、あれは金光教のものだっただろうか?
「どうしようもない亭主だったけれど、自分の方が悪いのかもしれないと思い、相手を立てるようにしたら夫も変わり、幸せな家庭になりました」というような話が必ず載っていて、最後に読んだのは中学生くらいだったと思うけれど、やっぱりどうも気にくわなかった。