『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』

木村元彦著。
終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ (集英社新書)
これも、発売直後に買って途中まで読んで放ってあった。(現在積ん読消化月刊)
1999年のNATO空爆により終わったとされるコソボ紛争、しかし、その後もセルビア系の民間人が3000人も行方不明になるなど、「民族浄化」は相変わらず続いている。しかも、誰の注目も浴びずに。
アルバニア人の少年が犬をけしかけられておぼれ死んだ。その報復にセルビア人の村が焼き討ちされる。それを駐留しているポーランド軍は黙ってみているだけ。
アルバニア人たちは、セルビア人は自分たちで村を焼いたのだという。少年がおぼれたのがセルビア人のせいかは確かめられない。
誰も嘘をついているわけではない、みんな自分の言っていることを信じている。
木村氏は、セルビア人が行った蛮行の跡も自分の目で確かめている。
6年間、ひたすら事実を見つめるために旧ユーゴに通った木村氏の、とても誠実なルポルタージュだ。