PARCO歌舞伎「決闘!高田馬場」

三谷幸喜作・演出。
おもしろかった。けど、いつもの三谷演劇と歌舞伎とのちょうど中間といった感じで、双方の味が幾分薄まった感もある。
だけど、多用される早変わり、時事ネタをいれた台詞、本来歌舞伎ってこういうものだったのだろうな、と思える楽しさにあふれていた。
染五郎勘太郎亀治郎の三人は、出ずっぱりの早変わりしっぱなし。見てるこちらがゼイゼイしてきた。
途中の小ネタで、果たし合い用の細い木の棒で、勘太郎カーリングのまねをするところ、その直後に染五郎が「イナバウワー」とやる。やっぱり日本のトリノ五輪は、カーリング荒川静香だったのだなあ、と妙に感心してしまった。
勘太郎はいいなあ。若さと、伝統に裏打ちされた老練とも言えるうまさが同居している。亀治郎もかなりな大役をはつらつと演じていた。歌舞伎役者らしい雰囲気もいい。世話物で見てみたいと思った。
最後の方、台詞に理が勝ちすぎるところもあったけれど、これは、助太刀のために怨恨もなにもない人をばっさばっさと斬る。その助太刀に協力するために周りは文字通りの献身的な助けをする。そう言うのが現代では受け入れにくくなってるからだと思う。