『浦島太郎はどこへ行ったのか』

高橋大輔著。

著者は、浦島太郎を追って、中国、沖縄など各地をまわる。そのバイタリティーはすばらしい。
日本書紀』において、浦島太郎(浦嶋子)が亀に出会って蓬莱へ出かけたとされているのは、雄略22年のこと。これは日本が中国へ使者を送った年でもある。そして、当時日本と関係が深かった渤海に面した土地には、そのものずばり「蓬莱」という地名があるのだ。
浦島太郎は実在したのか。
また、大阪には蓬莱ではなく「わたつみの国」へ言った浦島太郎もいる。彼と海幸彦、山幸彦との関係は? また、塩土翁や猿田彦との関係は?
何故、長野の山の中にも浦島太郎の痕跡があるのか?

ちょっと論が強引かなと思えたところもあったし、著者言うところの、「北方系の浦島太郎」と「南方系の浦島太郎」の結びつきがよくわからなかったりもしたけれど、非常におもしろく読みました。