『標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録』

ジョージ・ジョナス著
標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録 (新潮文庫)

映画「ミュンヘン」の原作。映画でよくわからないところがあったので、図書館で予約して、ようやく来ました。
おもしろかった。
映画は、この本の内容をよく追っていたということがわかったけれど、やっぱり、あれだけでは説明不足。5人だけでやっていた仕事なのに、いきなり大勢の奇襲部隊が登場するところ(ベイルート奇襲)とか、ルイたちの正体(は、本でもよくわからないけれど、映画はいっそう謎)とか。
映画になくておもしろかったのは、アフナーが受けた訓練。観察の仕方とか、誰かの動きを見張る方法とか、なぜ威力の弱いベレッタが「仕事」に最適なのか、とか。
この訓練だけなら受けてみたい気がする。
最後、仕事から抜けたせいで、せっせと貯金した10万ドルまで勝手に引き出され失ってしまう。まさに「死して屍拾う者なし」の世界。というより、死ぬと屍はルイグループが処分してしまって、二度と人目にさらされることはない。
こんな世界とは、一生、ほんのちょっとも関わりたくない。(飛行機で隣の席になるとかでも)