『マンスフィールド・パーク』

ジェーン・オースティン
世界文学全集 17 ジェーン・オースティン (17) マンスフィールド・パーク

オースティンは『説きふせられて』に続く2冊目。
どちらもおとなしい主人公で、映画になった『エマ』とかとは雰囲気が違うのかも知れない。
『説きふせられて』は、派手な姉たちの陰に隠れた主人公に結構共感したのだけれど、こちらは主人公ファニーがどうにも好きになれなかった。
なんというかとても「独善的」。というと押しつけがましい強権的な人物を思い浮かべるけれど、そう言うわけではなくつまり「ひとりいい子ちゃん」という言う意味。
ごく普通の若い女性らしい見栄や、はしゃぎや計算が、彼女にかかるととてつもない欠点というより悪になってしまう。なんだかなあ。
で、この作品の解説を書いた臼田昭氏も彼女が嫌いなのか、
「ファニーは美徳の化身、彼女だけはなに一つ誤ちを犯さない。ただじーっと坐ったまま、何もしないで、蛇のように陰険に、狙った獲物から目を離さない」などと書かれています。
すごい言われよう。
狙った獲物、とはエドマンドのことですね。
1978年の古い全集のせいか、付属の人物紹介には、最後の最後までの成り行きが書いてあります。昔はそうだったのか?