『仏教が好き!」

河合隼雄×中沢新一
仏教が好き!
に出てくる、

貨幣は神に似ている。どちらも永遠と言うことを言っているから。神のキッチュな表現形態が貨幣だ。

という言葉。
彼女は7歳の時に、「雲にも、水にも神様がいる」と言い、すごく満ち足りて安定していた。21歳の今も、自分の事業をやりたい、という希望と友に安定している。
7歳の時の神を失って不安定になった少女は、21歳の今は新しい神を得て安定しているのか、そう思ったのだ。浅薄な分析はよくないが、こんなことが浮かんできた。

他の部分もこの対談はおもしろくて、
仏教の戒律を表した『律蔵』にはびっくりした。若いお坊さんが寄り集まって禁欲生活をしている訳だから、ときにはアヤマチも犯す。そのたびにブッダに「こんなことしちゃいました」とお伺いを立てると、ブッダは「これはよくない。教団追放だ」あるいは「楽しみを得なかったのならゆるそう」などと答える。
 そのアヤマチがまた、想像力豊かというか、微に入り細に入りというか、妙に具体的。(好きだった人の骨を砕いてこねて女性器を作り、それでイタシテしまいました、とか)
もちろん律って性に関するものだけではないんでしょうがね、それにしてもおもしろい。

ほかにもいろいろおもしろかったんですが、自分でまとめるのは難しいです。

最後に、河合隼雄氏が、脳梗塞に倒れ現在も意識が戻っていないという。氏の本は大好きで、文庫・新書になったものはほとんど持っているし、図書館でもずいぶん借りている。
今、どんな夢を見ているのだろうか、どんな世界にいるのか、と思いつつ、切に回復をお祈りします。