『エアーズ家の没落』
- 作者: サラ・ウォーターズ,中村有希
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/09/18
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ネタバレにつき、改行します。
読んでいて、これは絶対に信頼できない語り手だな、と思った。
それに、最後の1文からすると、ファラデーが真っ黒な感じだし、動機:館を手に入れたい!もある。
一方、ベティも怪しい感じで、最初は二人の共犯?と思った。ファラデーの過去がやや曖昧な感じで、実はベティの父親なんじゃないかなどとまで勘ぐった。(つまり二人はグル)
しかし、やはり人間わざとは思われないことも多々あり、最初はこれも、「館を手に入れることに成功したファラデーが、その顛末を自分の都合のいいように、実際には起こらなかった怪奇現象を織り交ぜて言い訳の回想を語っている」という構造が最後に見えるのかと思った。
深読みやら邪推やらがほとんどあたらなくて、最後には「????」だったんだけど、自分個人の解釈としては、
まず、ベティのちょっとしたいたずらがあり、そのいたずらが効果を上げたことによりエスカレートしていった。そして、ファラデーはロデリックの病状などについて判断ミスを重ねたあげく、自分自身の精神状態もおかしくなっていき、意識を喪失したときに彼自身「没落」に手を貸し、キャロラインについては、やはり彼が犯人であろう。一方、やはりそれでも割り切れない部分は、超自然的な現象が関与していた、というもの。
さあ、どうでしょうね。
それから、原題の“The Little Stranger”について、
はてなにある、とあるブログの分析が非常に的を射ていると思います。
たいへん示唆を受けました。