「地獄でなぜ悪い」

すっげーおもしろかった。
すごくとか非常にとかではなく「すっげー」。
正視できないところも結構あって、血やら首やらが飛ぶところもまあそうなんだけど、やっぱり「キスシーン」がつらかった。リアルに痛い。

テイストも世評もまるで違うけれど、これは哄笑版「風立ちぬ」だと思った。
ごく若い頃に何かに魅入られた人の話。そして、その魅入られたことをしているのなら、人が死んでいても関係ない。
それをしているときの多幸感。

そして、主人公平田には本当の意味でそれを共有できる、同じくらい馬鹿な友人たちがいる。堀越君よりももっと幸せですね。
とってつけたような恋愛がないだけこちらの方に好感が持てた。
カメラ担当の二人のオタクっぽさも素敵。ふたりともとっても幸せそうだ。
平田の完全にイッちゃってるところもいい。
舞台風の演技になるところもいかにも。
彼はもしかしたら最後、自分が死んでることに気づかないまま走ってるんじゃないか、って気もする。ハッピーすぎて気づいてないんじゃないかと。

満員の劇場で、みんなでゲラゲラ笑いながら見たいなあ。(平日午前だし、ガラガラでした)