『ぼくは生きている』

テリー・ホワイト著。
ぼくは生きている

「ぼく」は物心着いてから聞いた言葉をみんな覚えている天才少年。だけど、みんなには低能と思われている。なぜなら、脳性麻痺で体を全然動かせないから。
「ぼく」の現実をついに受け入れることが出来なかったお父さんは、離婚して別の場所に住んでいる。だけど、一家の生活費を払ってくれているし、僕のことも愛している。
その愛故に、お父さんはぼくを殺そうとしているのでは……?

この父親にはかなりな反発を覚えた。家族を捨てて、それだけではなく、子どもの障害とそれに対する自分の苦しみをネタに詩を書いて賞をとる。これは、現実に障害を持つ子供がいるという著者自身を反映しているのだろうか? 天才少年である「ぼく」は、本当はぜんぶわかってるんだよね、という親としての切ない願いなんだろうか?

結末は「えーっ! それはないよ」というものだった。確かにこうとしか書けなかったのはわかるけど、それはない。